生産エリアの結露対策

齋藤施工写真1栃木県鹿沼市にある食品加工工場の社長様から、工場内の結露対策を検討してほしいとの相談がありました。
急速冷却庫にて冷却する際、ユニットクーラーに着いた結露水(ドレン水)がファンに飛ばされ冷却したい製品に飛散付着する現状を改善したいとの要望でした。

弊社から提案した改善内容は次の通りです。
①ユニットクーラーを、断熱性が高く防カビ材を含んだ断熱材にて結露対策をすること
②吹き出し口に整流フィルターを取り付け、異物の飛散を防止すること

今回の工場では加熱した製品の粗熱を取るという工程のため通常の冷蔵庫よりも風速があり、施工前はそれによる弊害も発生している状況でした。
特に吹出口側は温度が低いため、今回の施工では断熱材の厚みを変えて低温対策をすることと断熱材が風の影響で飛ばされないよう切り口の納まりに気をつけた施工を行いました。
加えてドレンパン(結露水の受け皿)を断熱することで冷却機器の結露による下部の商品への付着を防ぐ措置も施しました。


整流フィルターは、別名ソックフィルターとも呼ばれています。

齋藤施工写真2一般的には低温作業場での作業者の体調管理のため一定の低風速(0.2m/s~0.4m/s)で吹き出す装置ですが、異物混入を嫌う生産環境にも効果が期待できる装置です。

何度も洗浄して使用することができ、お客様自身が取り外し可能ですので、最近では食品工場を中心に広く普及しています。
また、各種ユニットクーラーやエアコン吹出口に合わせて作成することも可能です。

今回の施工は、生産している状態で現況をくまなく観察すること、改善が必要なポイントがどこにあるのかを先入観抜きで洗い出すことが大切であること、という現場調査の基本を再認識することができた改善案件でした。

お客様からは「結露水や埃が商品に付着混入する心配がなくなり安心して生産ができるようになった」と喜んでいただけました。
生鮮品を取り扱う食品工場に結露問題は不可欠なので、今後も積極的に改善提案をしていきます。