粉体を取り扱う食品工場の空調機は、粉体を吸い込まないように特製のフィルターボックスを取り付けてフィルターにて粉体を除去する工夫をしていますが、どうしてもフィルターを通り抜け空調機の冷却器(エバボレーター)やファン、空調機内部のパネルなどに付着し汚れてしまいます。

放置しておくとカビや細菌繁殖の原因となり、不衛生な生産環境を招いてしまうのです。

定期的に安全性の高い薬品を使った分解洗浄をしますが、風量不足になっている空調機はかなり汚れていますので通常の洗浄の2~4倍は時間をかける必要があります。
特にフィンピッチが細かい除湿器は奥に入り込んだ粉体まで取り除くよう、強い薬剤を使った洗浄を行います。



薬品洗浄・水洗いができない箇所については①ふき取る、②掃除機にて吸引するなどの方法を取りますが、カビや汚れ、ゴミの除去が難しい場所があります。

空調機ファンの周りの空調機本体(内側)には結露防止のために貼ってある保温材の取り扱いが難しいのです。



一般的に空調機パネルの保温にはガラスウール材が使われています。
ガラス繊維が飛び散らないようにコーティングされているのですが、吸引やふき取り作業をするとコーティングが破れてしまい、ガラス繊維がむき出しになってしまいます。

むき出しになったガラス繊維はファンにより吹き出し空気となって飛散しますのでそのままに放置できません。
そのための措置として①ガラス繊維の保温材を剥離除去し、別の保温材(ペフシート、エアロシート)を貼り付ける②アルミテープにてガラス繊維を封印するなどの方法を取ります。

エアロシートは高価ですが、気密性が高く劣化しづらいためお勧めです。しかし施工性が高く比較的安価なペフシートが多く普及しています。
いずれの場合も暖房再熱用に空調機内部に電気ヒーターを接続している場合は設置できません。
その場合はほかの方法を模索するようになります。



粉体吸込みによる目詰まりが頻繁な場合は、改めて吸込みフィルターボックスの形状フィルターの選定の見直しを考える必要があるでしょう。
再生可能なプレフィルターと補修効率の高い中性能フィルターを両方使うことで、効率よくゴミを補修できるようになります。



設備用エアコンであれば、ファンの改造が可能な機種も豊富で静圧アップができます。
適正な静圧を計算し、必要な静圧に見合う改造を実施すれば風量を落とさないまま様々な改良を加えることができます。
改造や洗浄がしやすい長所をもつ床置き型(ダクト接続タイプ)をお勧めします。
 
施工担当:谷中