局所排気装置等は年を重ねるにつれ経年劣化を招き、さらに破損や消耗などもあって性能が落ちることは避けられません。
局所排気装置の性能を維持し設備寿命を延長するためには適正な保守管理が必要となります。

局所排気装置の保守管理は装置の各部ごとに点検の必要があります。
(参考:『有機溶剤中毒予防規則 第十九条の二』『特定化学物質障害予防規則 第二十八条』)
フードではまずファンの排風量の不足をチェックします。電動機に余力があるときは回転数を若干上げることで向上が図れます。
不足が機械的にカバーできない時はファンと電動機の交換となります。



ダクトで問題になるのは、外部では陥没や破損、消耗、腐食が見られる状態になった場合です。
機械的なへこみなら打ち出しで修理します。そうでない場合、吸い込みダクトに設計以上の圧力がかかっているようならダクトの変更を施します。破損部は金属を当てて補修またはそっくり交換します。
ダクトに粉じんが堆積するなどして排風量が減った場合は最初に付着した堆積物を除きます。
空気の漏れがある場合はボルトの締め付け部をチェックし、ナットの欠落などを点検します。必要に応じて締め直しと交換を行います。



空気清浄装置ろ過除じん装置で、ろ過材に粉じんが堆積するなどして圧力損失が生じた場合は点検マニュアルなどに沿って粉じんを払い落とします。
ろ過材の劣化で性能が低下した場合はろ過材を交換します。

液体を使うスクラバ方式では、性能の低下に関しては原因究明の後、水量不足などの場合は給水ポンプの点検と修理が必至となります。
給水管の流れが悪い時は堆積物を除去するほか、必要に応じて給水管の容量を変えたり止水弁を付け換えたりします。

サイクロン型で除じん率の低下が目立つ時はやはり、原因を究明し、堆積物を除き、腐食部分などの補修を行います。

電気除じん装置でも同様に除じん率が低下した場合は堆積物を取り除くなど原因を究明したのち対処します。

保守点検には有機溶剤などから生じる有毒ガスを吸い込まないことや、火災、爆発を起こさない、感電しないなどに気を配ります。
労働災害を防止する備え冷静な対応が不可欠です。