有機溶剤健康診断

有機溶剤は多様な用途で生活を豊かにする半面、人体に有害な毒性を持つことが知られています。製造や製作の作業工程で体内に入れたり、触れたりなどすると、多岐にわたる健康障害を生じます。死に至ることもあり、作業には有機溶剤中毒予防規則に基づき、有機溶剤作業主任者が全般に目を配る必要があります。そして労働者の少しの変化も見逃さない健康状態のチェックが求められています。注視するだけでは、見落とすこともあり、有機溶剤中毒予防規則では労働者の健康診断についても章を設けて、万全を期しています。

健康診断は第6章で健康診断を必要とする業務、時期、項目のほかに記録の作成・保存、事故が発生した場合の緊急診断についての指針が示されています。
健康診断の対象としては有機溶剤中毒予防規則第29条で、「厚生労働省令で定める業務は、屋内作業場等(第3種有機溶剤等にあっては、タンク等の内部に限る)における有機溶剤業務のうち、第3条第1項の場合における同項の業務以外の業務とする」としています。時期については「雇い入れの際、当該業務への配置換えの際及びその後6月以内ごとに1回、定期的に行う」としています。

健康診断の内容としては、①業務の経歴調査②有機溶剤による健康障害の既往歴並びに自覚症状及び他覚症状の既往歴の調査③有機溶剤による自覚症状または他覚症状と通常認められる症状の有無の調査④尿蛋白の有無の調査―を挙げています。さらに医師が必要と認める場合は①作業条件の調査②貧血検査③肝機能検査④腎機能検査⑤神経内科学的検査まで具体的に行うとしています。

診断結果については、有機溶剤中毒予防規則の30条で事業者の責務として、健診を受けた労働者に健康診断の結果を通知、労働者個別に有機溶剤等健康診断個人票を作成して5年間の保存を義務付けています。同票には医師の意見の記載も求められています。また結果は労働者ばかりでなく、有機溶剤等健康診断結果報告書として所轄の労働基準監督署長への提出も義務付けています。省令では常時50人以上の労働者を使用する事業者には健康診断の結果に基づく事後措置その他労働者の健康管理を充実させることも促しています。

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