冷却や冷暖房、除湿のあらゆる場面で活躍する冷凍機。

設計施工から修理点検まで一貫してすばやく対応しています。
冷凍冷蔵倉庫、冷水を作るチラー、急速冷却凍結装置などの安定運用に地元の弊社をご活用ください。

使用目的、温度帯、規模の大小などにより、冷媒ガスが決まり、選定する冷凍機が決定します。
一般的には、スクロール圧縮機を用いた冷凍機が主流となっております。

冷媒(フロンガス)への取り組み

フロンガスとは

 「フロン」とは、1928年に人類が発明した自然界には存在しない人工物質です。
 炭素とフッ素の化合物(フルオロカーボン)を一般的にフロンと呼び、冷蔵庫などの冷媒に理想的な気体として開発されました。不燃性で化学的に極めて安定していて液化しやすいという理想的なガスでした。さらに油を溶かし、蒸発しやすく、人体に毒性がないという性質を持つフロンはエアコンや冷蔵・冷凍庫の冷媒だけでなく建物の断熱材や半導体・精密部品の洗浄剤、スプレーの噴射剤など身の回りの様々な用途に活用され、特に1960年代以降、先進国を中心に大量に消費されるようになりました。


フロンガスとオゾン層破壊問題

 多くの冷房・冷凍装置にとって、フロンガスは熱交換を行うのに最適な冷媒として活用され欠かせない存在でした。
 ところが1974年、アメリカのローランド教授(1995年ノーベル化学賞受賞)はフロンが大気中に放出されると遥か上空、成層圏まで上りオゾン層を破壊してしまうというメカニズムを発見しました。化学的に安定しているフロンは大気中に放出された後もほとんど分解されずに成層圏まで達し、強力な紫外線を浴びることで初めて分解されます。ですがそのフロンが分解されると塩素が発生し、その塩素がオゾン層を破壊する触媒となることが分かりました。
 オゾン層が破壊され紫外線が増加すると、皮膚がんや白内障など人間の健康に悪影響をもたらすばかりでなく動植物の遺伝子を傷つけ、生存を妨げるおそれがあります。また、1985年に南極でオゾンホールが発見され実際にオゾン層が破壊されていると証明されると世界中で大問題となりました。
 やがてフロンを大量消費する時代から、フロンを規制し環境に与える影響の少ない物質へ切り替えていこうという時代へと移り変わっていきます。


冷媒としてのフロンガス

 冷媒とは、冷蔵庫やエアコンなどの機器の中で熱を移動させる役目を務める流体の総称です。多くの機器では液体が気体になるとき周囲の熱を奪うという性質を利用して冷却しており、この重要な役割を持つ冷媒として長く使われてきたのがフロンガスでした。
 フロンガスが発明されるまではジエチルエーテルやアンモニアなどが用いられていましたが、こうした初期の冷媒には引火性や毒性の強い危険なものが多く安全な冷媒を開発することが強く求められていたのです。
 ところがそのフロンガスもオゾン層を破壊してしまうと判明し、オゾン層を破壊しないフロン(代替フロン)が研究・開発され普及してきました。


・クロロフルオロカーボン(CFC)
・ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)
・ハイドロフルオロカーボン(HFC)

 これらが現在までに冷媒として使用されてきたフロンガスです。この中でクロロフルオロカーボン(CFC)ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は塩素を含むためオゾン層破壊物質として「特定フロン」と呼ばれています。
 1987年にオゾン層破壊物質について協議・採択されたモントリオール議定書では、オゾン層保護対策としてCFCの生産中止と全面廃止が決定されました。これによりCFCは2009年末に全廃、CFCに比べオゾン層を破壊する作用が弱いため使われるようになったHCFCも2020年で廃止となりました。
 現在は塩素を持たないためオゾン層を破壊する心配のないハイドロフルオロカーボン(HFC)「代替フロン」と呼ばれ、冷媒の主流となっています。


代替フロンの問題点

 オゾン層を破壊しないとして広く使われるようになった「代替フロン」ですが、次の問題が浮上してきました。
 地球温暖化温室効果ガスに関する問題です。

 温室効果のあるガスが地球温暖化の原因となっていることが広く知れ渡るにつれて、ガスの地球温暖化係数(GWP)が注目されるようになりました。
 地球温暖化係数とは「そのガスが二酸化炭素の何倍の温室効果があるのか」を表す係数で、英語で“Global Warming Potential”と表されます。
 HFCのうち主流として使われていたR-410Aはオゾン層を破壊しないもののGWPが非常に高く、二酸化炭素の2,000倍以上の保温効果を持っていました。そこで地球温暖化に与える影響の低いR-32がR-410Aに代わり使用されるようになり、「低GWP冷媒」または「グリーン冷媒」として注目されるようになります。ですが低GWP冷媒(グリーン冷媒)と言ってもまだまだ高い温室効果を持っています。

 いまやオゾン層を破壊しないことは冷媒としての必須条件であり、さらに毒性や可燃性がなく取り扱いが容易であるなどの安全性、地球温暖化係数(GWP)が低いこと、経済的に安価であることなどが求められます。しかしすべての要件を満たす冷媒を見出すことは極めて困難で、低GWP冷媒(グリーン冷媒)とそれを効率的に使える冷房装置の研究が今なお続いているのが現状です。

 また、全廃対象のCFCとHCFCを冷媒として使用している冷房・冷凍装置はガスの補充や修理が次第に困難になってきますので、いずれ更新する必要があります


フロン排出抑制法の制定と改正

 日本では2001年に「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」が制定され、業務用冷凍空調機器の整備時・廃棄時のフロン類の回収、回収されたフロン類の破壊等が進められてきました。
 しかし特定フロン(CFC、HCFC等)は減少している一方で冷媒である代替フロン(HFC等)の急増、業務用エアコン及び冷凍・冷蔵機器の廃棄時におけるフロン類回収率の低迷、経済産業省が実施した調査で機器使用時における大規模漏洩の判明、高い温室効果を持つ代替フロンに対する国際的な規制強化の動きといった状況の変化があり、それにともなった対応が必要となってきました。
 そこでフロン製造から廃棄までのライフサイクル全体にわたる包括的な対策が取られるよう2013年6月に法改正が行われ、名称も「フロン類の仕様の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」と改められました。(2015年4月1日)

 また、機器廃棄時のフロン回収率は10年以上3割程度に低迷し、直近でも4割弱に留まっていた廃棄時回収率向上のため、2019年6月にはユーザーが機器廃棄時にフロン類の回収を行わない場合は即座に刑事罰(50万円以下の罰金)が科せられる、廃棄物・リサイクル業者に処分を依頼する際に引取証明書(充填回収業者がフロン類を回収した際に発行する書面)の写しを渡さないと引取ってもらえない、など抜本的な対策を講じる改正が行われました。(2020年4月1日施工)


これからの取り組み

 今では世界中にエアコンの普及が進み、冷蔵・冷凍倉庫もなくてはならない存在となりつつあります。冷媒の重要度が高まっている一方で、その取扱いや地球環境に与える影響も考えていかなければなりません。
 我々のような設備会社にとってこれまでに述べたガスの問題は非常に重要です。扱っているエアコンや冷凍機のメーカーによって使用しているガスが異なっており、今も試行錯誤しながら最適なものを選びつつ施工・修理を行っているのが現状です。
 また、一般的に冷凍機の平均耐用年数は13年とされています。使用する工具も機種やガスによって変わるため、適切に対応していく技術力と知識が求められます。

 田崎設備は設備会社として何ができるかを常に考え、冷媒に対する地球温暖化対策とその取扱いに関する規制などをしっかりと確認しながら上手く付き合っていく方法を模索していきます。







参考:
・環境省ホームページ特設サイト『フロン排出抑制法ポータルサイト』より「フロン排出抑制法の背景・目的」(https://www.env.go.jp/earth/furon/gaiyo/haikei.html

・経済産業省ホームページ『オゾン層保護・温暖化対策』より「フロン排出抑制法の概要」(PDF)
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/ozone/files/freo_pamphlet.pdf

・経済産業省ホームページ『産業構造審議会製造産業分科会第8回化学物質政策小委員会 令和2年度度第1回化学物質審議会 合同会議』(2021年2月1日開催)より
開催資料「資料4 フロン対策の動向について」(PDF)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seizo_sangyo/kagaku_busshitsu/pdf/008_04_00.pdf

・日本商工会議所ホームページ『改正フロン排出抑制法 2020年4月1日施行(環境省)』より「機器管理者の皆様へ」(PDF)
https://www.jcci.or.jp/20191016furon.pdf