お客様からの要望

旧冷凍機(二段圧縮)
旧冷凍機(二段圧縮)
①冷凍庫の機器を更新するにあたり、現状と同等以上の能力を発揮する冷凍機器にしてほしい。
段ボール箱に入った乾燥食品の冷凍なので、商品が芯温(中心温度)まで冷えるよう配慮をお願いしたい。

②冷凍機が古く(1999年製)、冷媒が生産中止となったR22仕様のため10年先も安心して使える冷凍機器を選定してほしい。

設計条件

乾燥食品の緩慢凍結 (室温)-35℃±3℃ 
乾燥食品の芯温    24時間で-10℃以下

田崎設備からの課題解決の提案・気を使った施工方法

新スクロール冷凍機
新スクロール冷凍機
 既存冷凍機器は二段圧縮機で冷媒はR22を使用していました。
庫内温度もー45℃まで冷却可能な冷凍機で、ユニットクーラーで冷却した空気を商品に当てて緩慢凍結するようにしていました。
新たに機器を選定するにあたり、商品に当てる風量を50%以上アップさせるクーラーを選定しました。


段ボール箱に入っている商品が乾燥食品のため直接温度を下げることが難しい状態でしたが、凍結にはできるだけ大きな風量で熱を奪うようなものにしました。おかげで条件が厳しい製品でも24時間で-20℃以上の冷却が可能となりました。

旧クーラーの風量164㎥/分 ➡ 新クーラーの風量250㎥/分



旧クーラー
旧クーラー

その一方で冷凍機は二段圧縮機というハイグレードで高価な冷凍機よりも、単段のスクロール冷凍機で-35℃の室温をキープできる機器を選定しました。
温度差よりも風を当てて段ボール箱の温度を下げる効果についてご説明し、納得いただきました。
乾燥食品のため緩慢凍結でもドリップが出ず、食材の品質低下にならないことも採用の決め手となりました。

この選定により冷媒R410Aの機種を選ぶことができ、高いメンテナンス性とともに購入コストも削減することができました。

新しいユニットクーラー
新しいユニットクーラー
また、施工方法も工夫しました。
配管の保温効果を高めるため冷媒管をベンダー工法で施工しました。
配管材が38.1Φと太いため通常であれば継ぎ手を使い施工するのですが、配管の曲がり部分で保温材が折れてしまい保温効果が低下して結露(凍結)の原因となっていました。

そこでベンダー工法によりR(曲がり)を大きくし保温効率を損なわないように施工を行いました。

また、前年に近くを流れる河川の氾濫で冷凍機及びエアコン室外機が水に浸かってしまい故障するという被害を被りました。
その教訓を活かし室外機を地面より500㎜上げて施工しました。

施工後のお客様の声

お客様からは『梱包されている乾燥食品が24時間で-20℃以上冷却可能となり、日々の製造工程が今まで以上に安定しました。
限られた予算で希望以上の施工に満足しています。ありがとうございました。』
とのお言葉をいただきました。

導入機器・能力・台数

緩慢凍結庫の冷凍機更新
日立冷凍機  KX-NM20AVP1  冷凍能力17KW  消費電力16.7KW  1台 
ユニットクーラー  US-N20ⅬH2  風量250㎥/分  1台